初めてバイトをした頃だと思う。
面接を担当したちょっと偉そうな人が、
自慢げに私に言い放した言葉があった。
「俺は、たくさんのニンゲンを仕事を通して見てきたから、ニンゲンの心がわかるんだよ」と。
それを聞いた瞬間、浅はかすぎて鳥肌がたった。
あなたに人の気持ちなんて、
全くわかるはずないよ。
と、
心の中で悪態をついた。
そして、馬鹿みたいな声で、
「すごーい」
と、無感動にその偉そうな人に言い放したことがあった。
それからの人生。
色々な人々が、こういうことを言う場面に出くわすことになるけれど、
やっぱり、人の心って言うものは、わからないよね。
というか、
わかったつもりでいると、
大きなしっぺ返しがやってくる。
わかったつもりは、
全てにおいて狭いシステムで人を判断してしがちになる。
それは危険なことだと思う。
自分の創造性や、成長もなくなってしまうことになる。
決めつけてかかると、どんどん狭まっていき。つまらない人間になる。
昔、河合隼雄と言う心理学者がいた。
その人の本に、
人の心を覗けば覗くほど、人の心はわからない。
人の心がどれだけわからないものかを知っているものが、心の専門家というようなことが書いてあった。
私は、心の専門家ではないけれど、
どれだけ人の心がわからないのかということを、
知りたいと思う今日この頃です。
でも、
それはかなり、怖いことでもありますね。
なぜ、怖いことを知りたいんだろう?
それは、そこに「愛」が潜んでいそうだからだ。
実はわたしは、密かに愛に飢えているんじゃないか?と、
やっと生きていることを50年重ねてみて、白状せねばなるまい。
何かを求めることは、何かを失い続けること。
それがわたしの生きる道標なのかもしれません。
ふっ、なんか…わたしまじめだな。苦笑